全7回に分けてご紹介する【アートギャッベと過ごす夏】の5回目です。
今回は、「ウールを使ったじゅうたんはなぜお手入れが楽なのか?」についてです。
じゅうたんは人が集まる場所に敷くことが多いので、汚れが目につく場所でもありますよね。そこで、本日は「お手入れが楽な理由」と「お手入れの仕方」についてご紹介致します。
目次
- お手入れが楽な理由
- ウールは汚れが付きづらい素材
- 天然素材のウールは静電気が起きづらく、掃除機掛けが楽
- じゅうたんの目が詰まっているので、中までゴミが入りづらい
- 普段のお手入れの仕方
- 夏や梅雨に気になる湿気の対処法
- 小さいサイズは日陰干しもおすすめ
- 半分ずつめくって裏面にも風を通す
- 表面を拭く
- まとめ
お手入れが楽な理由
天然素材のウールは、汚れが付きづらい素材
ウールの構造は、人間の髪の毛の表面とよく似ています。このキューティクルのようなうろこ状の表面が、コーティングの働きをしてくれます。汚れも染み込みにくく、落としやすい素材なんです。
さらに【アートギャッベと過ごす夏vol.3】でもご紹介しましたが、アートギャッベで使用している羊毛は「ラノリン」という脂分が多く含まれています。なぜなら1日の寒暖差が30℃にもなる高地で放牧されている羊だから。過酷な環境から身を守るために脂分が多いのです。
脂分が豊富だからこそ、アートギャッベは汚れが染みにくくなります。
天然素材のウールは静電気が起きづらく、掃除機掛けが楽
化学繊維は掃除機掛けでも静電気が起きることがあります。静電気が起きやすいと、絨毯の上にのった埃をキャッチしたまま離しにくくになります。掃除機掛けをしても、埃が取りづらい状態になるなんて、せっかくお手入れをしているのに悲しいですよね。
天然素材のウールは、化学繊維に比べると静電気が起きにくい素材です。そのため、掃除機掛けでも埃が取りやすく、お手入れが楽になるんです。
じゅうたんの目が詰まっているので、中までゴミが入りづらい
毛足があるじゅうたんはふかふかで気持ちが良いのですが、ゴミが中まで入り込んでしまうところも困りごとの一つ。しかし、アートギャッベは織りの密度が高く、目が詰まっているため毛足の奥までゴミが入りにくいのです。
こちらの写真をご覧ください。
織り機で絨毯を織っているところを横から撮影しています。経糸に羊毛を結んで切る…を繰り返しながら織り上げますが、目が詰まっているのがよく分かりますよね。そのため、埃や髪の毛は絨毯の上に乗り、表面でキャッチしてくれるので掃除機掛けで吸い取りやすくなります。
また、目が詰まっていると、絨毯をダニや虫が発生しにくい環境にしてくれます。
ダニや虫が好む餌は「皮脂や古くなった角質などの有機物」となるそうです。これは生活していく中で、落とさないようにするのは難しいですよね。絨毯の中に餌が入り込みやすいと、掃除機掛けでは取りにくくなります。なので、毛足の中までゴミが入り込みにくい、目が詰まった絨毯をお選びいただくことがおすすめです。
普段のお手入れの仕方
次は普段のお手入れの仕方についてご紹介致します。
普段のお手入れは簡単で、日常の掃除機掛けで大丈夫。なぜなら、「お手入れが楽な理由」でもお伝えした、絨毯の目が詰まっているためゴミが表面で留まっているからです。
ポイントとしては、毛の流れに沿って掃除機を掛けていただくことです。手織り絨毯なので毛の向きがあります。流れに逆らってゴシゴシ掃除機を掛けると、毯の繊維を痛めることもあるのでおすすめはしません。逆らった場合は、毛の流れを戻してあげてください。
※掃除機の種類について
強力なパワーの掃除機や回転ブラシは、絨毯の毛を痛める恐れがあります。回転機能を止めて掃除機掛けをしてください。もし機能を止められない場合は、ヘッドをお布団用のタイプにしていただくか、パワーを「弱」など弱くして押し付けずに軽く掃除機掛けをしましょう。
ロボット掃除機の場合は、微細なホコリを感知するセンサーに絨毯の毛が反応し、上をグルグル回ったままになることがあるようです。そのような時は、タイマー設定をしておくか、絨毯を半分めくった状態にしてロボット掃除機が乗り上げないようにするといいですね。
飲み物をこぼした場合
「あ!こぼしちゃった!」と慌てると思いますが、ご安心ください。脂分が豊富なウールだからこそ、汚れは染み込みにくいです。
①こぼしたところをティッシュや乾いた布で水分を拭き取る。
②タオルで水拭きをする。
③乾いたタオルで乾拭きをする。(ここで水分が残らないように吹いてください)
④自然乾燥させる。
以上です。こちらの動画は実際にコーヒーをこぼしたところをお手入れしているので、ぜひご覧ください!
※匂いや色が残りやすいものをこぼしてしまった場合
衣類のウール用洗剤や、おしゃれ着洗いの洗剤などを水で薄めたもので水拭きをしてください。(食器用洗剤は必要以上に毛の脂分をとってしまう恐れがあるので、ご使用はお控えください)
ウール用洗剤で拭いた後は、洗剤が絨毯に残らないように水拭きと乾拭きをしてくださいね。
夏や梅雨に気になる湿気の対処法
梅雨による湿気や、日差しが強く暑い日が多くなってきました。そんな時はじゅうたんもさっぱりさせたいですよね。おすすめの対処法をご紹介致します。
小さいサイズは日陰干しで湿気を逃がす
小さいサイズであれば、絨毯の裏面を表にして日陰干しもおすすめです。裏面から湿気が逃げてくれますよ。日光にあてるのも短時間であれば大丈夫です。
半分ずつめくって裏面にも風を通す
大きいラグサイズは干すのは難しいので、敷いたままで半分めくって湿気を逃がしましょう。次の日はもう半分をめくってあげてください。
そしてめくったついでにじゅうたんの裏面や、床も掃除機掛けをするとより良いです。裏地がないじゅうたんなので、目に見えない細かなハウスダストを毛足を通して絨毯の裏面に押さえつけてくれています。
せっかくなので、床もきれいにしてあげましょう。
表面を水拭きしてさっぱりさせる
汚れが染み込みにくいウールですが、汗ばむ季節などは気分的にもさっぱりさせたい方も多いと思います。そんな時は、硬く絞ったタオルで、毛の流れに沿って水拭きをしていただくと、より一層心地よくお使いいただけますよ。
回数も半年に1回や季節ごと3~4か月に1回程度される方が多いようです。
まとめ
playlist_add_check ウールを使ったじゅうたんはなぜお手入れが楽なのか?についてのまとめ
汚れがつきづらく、静電気が起きにくいウールはお手入れが楽
アートギャッベの普段のお手入れは、掃除機掛けで大丈夫
梅雨の時期などは、換気やじゅうたんをめくって湿気を逃がしましょう
次回は「夏に赤は暑い?季節とじゅうたんの色合いの関係」です。お楽しみに!