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特集【アートギャッベものがたり vol.1】美しい草木染の手織り絨毯~アートギャッベ~

アートギャッベ

私たちボー・デコールが20年にわたりご紹介し続けている草木染の手織り絨毯「アートギャッベ」。ここ数年、ギャッベを扱うお店も多く、インターネットで目にする機会も増え、一言で「ギャッベ」といっても何が違うのか分からない。値段の差は何?という声を多く聞きます。

そんな皆さまの声に応えるべく、8回にわたりアートギャッベの物語をご紹介いたします。これを読めばアートギャッベの全てが分かるはず。

特集【アートギャッベものがたり】

アートギャッベはとても奥が深く、魅力あふれる絨毯です。それぞれの物語を是非ご覧くださいませ。

第1回目の今回は「そもそもギャッベって?」という方にも分かりやすく、その魅力をご紹介いたします。

 vol.1美しい草木染の手織り絨毯~アートギャッベ~目次

  • 遊牧民の手織り絨毯「ギャッベ」
  • 大自然から生まれるアートギャッベの魅力

遊牧民の手織り絨毯「ギャッベ」

ペルシャ語で「毛足が長い」というを意味をもつギャッベ。イランのザクロス山脈に3000年前から伝わる、ウールの手織り絨毯です。岩のような砂漠の大地に座ったり寝転んだりしても痛くないように毛足を長くしてクッション性を持たせたことから、その名が付きました。

ザクロス山脈

織っているのはザクロス山脈で遊牧しながら生活をする、カシュガイ族の女性たち。華やかな民族衣装に身を包み、荒涼とした大地で美しい絨毯を織り上げます。

織り子さん

カシュガイ族の女性たちが日々目にしている大自然を、その自然から取れる素材で表現するギャッベ。一言でギャッベと言っても、織った人によって色柄は様々です。

その中でもボーデコールのスタッフが、織りの技術や使用するウールの品質、そしてアート性といった観点で現地で選定してきたものを「アートギャッベ」としてご紹介しています。

思わず時間を忘れて見とれてしまう、色とりどりで個性豊かなアートギャッベ。そんなアートギャッベの美しさの秘密をご紹介していきます。


大自然から生まれるアートギャッベの魅力

① 自然の恵み 草木染めの「色」

アートギャッベ

赤、青、黄色・・・様々な色糸を織り込んで作る、カラフルなアートギャッベ。アートギャッベを初めてご覧になる方の多くが、色の繊細さに驚かれます。

この美しい色は、草木染めの色。木の根っこや木の実の皮といった、遊牧民にとって身近な自然にあるもので染められています。

茜の根

 

例えばアートギャッベに欠かせない色「赤」を染めるのに使用するのは、こちらの茜という木の根っこです。赤は「命の色」「夕日の色」などと呼ばれ、サーモンピンクのような明るい赤から深みのある落ち着いた赤まで、様々に染め分けられます。

草木染

 

何度も重ねて染めたり、別の染料と組み合わせたり。そうして生まれた何通りもの色を織り込んで作り出すのが、アートギャッベの深みのある色なのです。


② 心がほっとやすらぐ手織りならではの温かみ

アートギャッベを見たときの、どこか懐かしくほっとする気持ち。その理由の一つは、手織りならではの不揃いさや、色ムラによる美しいグラデーションが作る素朴な表情です。

 

● 大自然の中で育まれた感性で描く、不揃いで豊かな形

ザクロス山脈

例えば、カシュガイの人々が生活しているザクロスの山の形。空に浮かぶ雲が、風に吹かれて形を変えながら流れていく様子・・・。雄大な自然の中で生きている彼らにとっては、この「まっすぐでない形」が当たり前のものなのです。

アートギャッベ

こちらの緑のストライプのアートギャッベ。大胆なストライプ模様や色の美しさも目を引きますが、ぜひ線の揺れにも注目してみてください。もちろん技法的にはまっすぐ織ることもできますが、あえてこのようにゆらゆらと線を揺らしています。

きっちりと作られたものの中で生活していると、意識していなくてもそれが普通になっています。そんな中、ふとした時にアートギャッベを眺めると、水の流れや草木が風に揺れる様といった自然の揺らぎを感じられてなんだか心が穏やかになる気がします。

 

● 自然を感じる特別な色

アートギャッベ

深い緑から明るい黄緑へのグラデーションが見事なこちらのアートギャッベ。一言で「緑」といっても、青みがかった緑、黄色みがかった緑、明るい色から深い色まで様々な色で表現されています。

自然界でも、明るい黄緑色だった若い葉っぱが季節とともに色が濃くなっていったり、日陰になっているところが青みがかって見えたりしますよね。自然とともに生きている遊牧民だからこそ持っている色彩感覚で、より深みのある表情を作り出しています。

以前、深い緑色のアートギャッベを選ばれたお客さまが「お部屋に草原が来たみたい」とおっしゃっていました。単なる「緑」ではなく、たくさんの色が集まってできた緑はまさしく「草原の色」。お部屋の中で自然を感じることができる特別な色なのです。

 

● 上質なウールだけがもつ「艶」

上質なウールには艶があります。この艶の正体は、ウールが本来もっているラノリンという脂分です。ラノリンは糸を染める時に染料が入るのを妨げてしまう上、ハンドクリームなどの保湿成分としても使用されます。そのため一般的なギャッベでは脂分を抜いてしまうものがほとんどです。

アートギャッベでは、ザクロスの過酷な環境で育った特に脂分の多い上質なウールだけを使用し、じっくりと時間をかけて草木染めで色を入れていきます。そのため光の当たり方や見る向きによって様々に表情が変わるのです。

絨毯の向き

絨毯の向き

 

上の2枚の写真は、同じアートギャッベを向きを変えて映したもの。カメラの設定も変えていませんが、まったく違った表情を見せてくれています。

この艶が、1枚のアートギャッベを時には瑞々しく、時にはきらきらと光っているように、時には深みのある色にも見せてくれます。日中の色、夜の色、晴れの日の色、雨の日の色・・・毎日違って見えるので、ふとした時に眺めたり、用もないのにお部屋を行ったり来たりしてみたり、お部屋で過ごす時間も少し楽しくなりそうです。

 

playlist_add_check まとめ

 ギャッベとは、ペルシャ語で「毛足の長い絨毯」
 アートギャッベの魅力① 草木染の色合い
 アートギャッベの魅力② 手織りならではの表情

ご覧になられる際には今回ご紹介したポイントにも注目していただくと、よりお楽しみいただけると思います。見る人によって感じ方が本当に違うので、いろいろと想像を膨らませながら、どんな風に見えるかお喋りするのがとても楽しいひとときです。ご来店されたときには、どんな風に見えるかお話を聞かせてくださいね。

次回はギャッベの歴史をお伝えしていきます。

特集【アートギャッベものがたり】

 

 

 

特集【アートギャッベものがたり vol.2】イランに伝わる絨毯の歴史

第8回にわたりご紹介するアートギャッベの物語。
これを読めばアートギャッベの全てが分かるはずです。

第2回目、イランに伝わる絨毯の歴史についてご紹介します。

 

目次

  • ギャッベの歴史、オールドギャッベの魅力
  • ギャッベを語る上で欠かせない、ペルシャ絨毯

ギャッベの歴史

ギャッベは、遊牧民カシュガイ族の暮らしの中で欠かせない生活道具です。
はっきりとした年代等は分かっていませんが、およそ3000年前から暮らしに根付いていたといわれています。

カシュガイ族は、半年に一度移動をしテントで暮らす遊牧生活を送っているので、寒暖差のある厳しい環境にウールでできたギャッベは必需品でした。
簡単に持ち運びができ、岩場で使える頑丈さも備えているので代々受け継ぎ使われています。

ギャッベはイラン国内で誰もが知る存在ですが、日常的に使う生活道具であるため価値は評価されにくく、国外でもほとんど認知をされていませんでした。
ですが、今から約80年程前にイラン人の絨毯商によって見出され、その後世界に広まっていったのです。

写真は40年物のオールドギャッベ。
王や権力を表すライオンと、菱形のメダリオン…
目を表す魔除けの文様が織り込まれています。

オールドギャッベは、その色柄や作りから先人たちの暮らしぶりや思想を垣間見ることができ、現代のギャッベとは異なる独特の文様や色遣いなども魅力のひとつだと思います。

また、魔除けの文様が隙間なく織り込まれているものを多く目にします。
絨毯の中に余白があると、そこに魔の手が入り込んでしまう…と謂れがありました。家族の暮らしを危ぶむような邪悪で目に見えないものや、天敵である狼などの動物から身を守るために魔除けの模様を沢山織り込んでいったのです。


・世代を超えて受け継がれてきた絨毯

 

一家の大黒柱のような生命の樹が宿る、100年使い込まれたオールドギャッベ。
ボー・デコールの初代選定人がイランで惚れ込み、譲り受けてきたものです。

家族を傍で見守ってきた背中のような懐の大きさを感じる一枚ですが、擦り切れている部分は一家の主であるお父さんの特等席だったのでしょうか…。
そんな想像の膨らむ、100年もの間、多くの歴史を刻み乗り越えた力強さの感じられる一枚です。

一方で現代の日本では、ものを大量に作って消費する時代から、ものをなるべくもたない暮らしや、一つのものを永く大切に使いたいという考えをする方が増えてきたように感じます。
アートギャッベもまさにそうだと思います。
生涯を共に使い、パートナーのように楽しんで使うもの。

使い込むことで愛着が生まれ、日々の何気ない喜びを気付かせてくれる存在だと思います。そういう物は世の中を見渡すと、思いのほか少ない気がします。

 


ギャッベを語る上で欠かせない、ペルシャ絨毯

手織りの絨毯は約3000年前に織られたものが現存しています。

イランのペルシャ絨毯文化が盛んになったのは約500~600年前からです。大変古くからイランの伝統工芸として繁栄してきました。

ここでは、ギャッベを語る上では欠かせないペルシャ絨毯を大きく取り上げます。

ペルシャでの絨毯の用途は本来、モスクでお参りをする為に敷き詰めて使われるものでした。

それから、王宮に献上されるものとして作られ、行く行くは商業的にも発展していきました。

イランの世界遺産ペルセポリスに彫刻されたお供え物を持ち王宮に向かう人々の壁画

ペルシャ絨毯はシルクロードを通じ、イランからインド・パキスタン・アジア圏等に広まっていきました。日本に本格的に手織り絨毯が広まったのは約300年前と言われています。


・ペルシャ絨毯の工程について

ペルシャ絨毯の織り方は、ギャッベとスタイルが異なります。

ペルシャ絨毯は写真のように織り機を垂直にセットして、数千と張った経糸に緯糸を結ぶスタイルで織り上げられます。ギャッベを織る遊牧民族のように織り機を組んで解体して持ち運ぶ必要がないので、より繊細なデザインを織り上げることができるのです。

繊細なデザイン画を基にしていて、それぞれのペルシャ絨毯工房で意匠紙と言われるデザイン画のパターンをもっています。
デザイン専属のデザイナ―もおり、その工房それぞれの特色をもったペルシャ絨毯が生まれているのです。
文様は主にモスクのタイルのように抽象的な動物や魔除け、繁栄を願う文様が織り込まれています。

織子さんの熟練の技術と丁寧な仕上げも加わり、繊細で狂いもありません。
ギャッベのような素朴さとはまた違った完成された美しさが、ペルシャ絨毯にはあるのです。

 


・守り続ける伝統の技

地方により、デザインや素材などの特色をもっており、主要産地は大きく分けて5つあります。

・芸術の街と呼ばれるにふさわしい古代都市、有名工房を連ねるイスファハーン
・古くから王宮用の絨毯工房が発展していた技術は最高峰のカシャーン
・濃淡のブルー、ベージュ、レンガ色がベースのカラーからなるデザインが特色のナイン
・シルクをメインに海外でも人気を集めるクム
・ペルシャ絨毯文化の復興を担った工場で作る機械織りの絨毯が多くを占めるタブリーズ

それぞれの地方に、工房が幾つか分布しています。

コピー品だけを織る地方などもありますので、注意も必要だそう。

また素材はウールとシルクで、よく日本で目にするのはシルクが多いかもしれません。
現在、ペルシャ絨毯の大半は海外に輸出するために織られており、生産量の約80%は輸出を占めています。

 


・ペルシャ絨毯のルーツ、華麗なルリバフト

アートギャッベを見ていると、素朴で優しい雰囲気のギャッベの中に時折ペルシャ絨毯のような繊細な文様が織り込まれた絨毯がいくつかあります。ルリバフト

これは「ルリ族」という民族が織ったギャッベ「ルリバフト」です。

よくお客様から「ペルシャ絨毯みたいですね」と言われることがありますが、実はこのルリバフトこそがペルシャ絨毯のルーツとも言われております。

伝統的で繊細な美しい文様やデザインと、緻密な織りの技術が卓越しているルリバフト絨毯。

「ザクロの樹」
イラン原産の果実ザクロ。ギャッベでは子孫繁栄の意味を表します。
実があちこち、上や横や下を向いていますがこれにも意味が隠されています。
輪廻転生を表し、熟れて地面に落ちた実は、樹の一部となり循環していくことでしょう。

ルリ族は定住民族であり、故に織りの技術は卓越しています。また、血筋を大切にする部族でもあるので、年々織り手の方が減っているのも現状です。希少性・価値も高まっています。

美しく細かな文様からペルシャ絨毯みたいと言われることもありますが、大きく異なるのはその色ムラです。ペルシャ絨毯では決して許されないこのギャッベ特有の色ムラがルリバフトの魅力でもあります。繊細で緻密な柄と、草木の温かみある独特の風合いの組合せは溜息が出るほど美しいです。

ルリバフトは、本来のギャッベの素朴な美しさ+ペルシャ絨毯のような品の良さのどちらも楽しめる絨毯なのです。

 


playlist_add_check まとめ

 ギャッベには遥か昔からの先人の知恵が詰まっている
 受け継ぐ暮らしは理に叶っている

 ペルシャ絨毯はイランの伝統工芸の最高峰、イラン人の誇りである

 

アートギャッベは2010年にユネスコの無形文化遺産にも選ばれています。
イランの人々だけでなく、他国の方々の暮らしにも馴染む魅力が沢山あります。

ギャッベには深い歴史がありますが、新たに歴史を刻むのは自分自身です。
気に入ったギャッベをお家に迎え入れた日からがスタートです。
末永くお使いいただき、かけがえのない家族や自分の宝物になっていってくれることを願います。

特集【アートギャッベものがたり】

 

特集【アートギャッベものがたり vol.3】ボー・デコールスタッフが見たイラン旅行記

第8回にわたりご紹介するアートギャッベの物語。
これを読めばアートギャッベの全てが分かるはずです。

第3回目は、イランへの道のりと、町での暮らしと遊牧民の生活についてご紹介致します。

目次

  • イランへの道のり
  • 町に暮らす人々の生活
  • 遊牧民族カシュガイの暮らし
  • まとめ

イランへの道のり

私たちボー・デコールのスタッフでもあるアートギャッベ選定人は、年に3、4度現地イランのゾランヴァリ工房へ赴き、全国でご紹介しているギャッベを1枚1枚プロの視点から選定しています。

日本から約7,500kmも離れたイランに行くには直行便がない為、主にドーハやドバイを経由して行くことになり、経由地まで約12~3時間ほど、そこから首都テヘランまで約2時間。着くまでにも一苦労です。


空港の様子

選定人は現地で丸2日間アートギャッベを選んできますが、時差の関係もあり一度選定に行くと2泊4日の旅になるくらい遠い国。

また選定以外にも、これまで弊社スタッフや提携ショップのスタッフさま合わせて30人ほど、計60回以上も現地の文化や空気、作り手の思いを実際に肌で感じるためにイランへ研修に行っています。

研修では、現地イランに1週間ほど滞在をして、首都テヘランや織子さんたちが暮らすシーラーズなどを訪問するのです。


選定の様子

 

 


織り子さんとの交流


イランの正式名称は「イラン・イスラム共和国」と言いイスラム圏の国ですが、皆さんによく質問される治安が悪そう、怖い国というイメージと、実際に見てきた日常は全く異なるものでした。

私たちが現地で見てきたイランの日常。あまり知られていないその暮らしぶりをご紹介いたします。


街に暮らす人々の生活

先ずは女性の衣装ですが、全身黒ずくめで髪をスカーフで覆った姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?イスラム教の女性は宗教上の理由で、髪の毛や肌を見せることが出来ません。私たち日本人がイランに行く際もスカーフを頭に巻き、真夏でも長袖長ズボンでなければ入国できません。

イラン旅行記
ボー・デコールスタッフのイランでの服装

 

しかし、実際に訪れてみると黒い衣装の女性は少数で、皆さんとってもオシャレ。そしてお人形のような美人が多くて驚きました。街では若い女性は日本の若者と同じようにお洒落をし、スカーフも素敵な柄で個性を出しておりました。

 


首都テヘランで出逢った素敵な女性

 

また、街中のレストランなどで食事をする時、禁酒国のイランでは
皆さんにもお馴染みの飲み物をよく見かけます。

 


イランのコーラ

 

そうです!コーラ!!!

そして、見つけましたmade in JAPAN

なんと「午後の紅茶」
これには私たちもビックリ。

食事もお米やフルーツをレストランなどでも良く目にすることが出来ます。

首都テヘランなどの町並みは、高層ビルや商業施設ももちろんありますが、一番驚いたのが車やバイクの交通量です。

 

 

とくに交差点はよく事故が起こらないなあと思うくらいに車とバイクが入り混じっています。

私たちの暮らしとあまり変わらない印象です。

 


カシュガイの暮らし

 

町中から、織子さんたちが暮らすシーラーズへ向かうと徐々に景色は変わっていきます。

ほとんどの地域が大陸性気候のため、乾燥した大地が広がっています。

 

乾燥し標高が高く、寒暖差もある厳しい自然環境で快適に暮らすためにギャッベが生まれたのも
現地に行くことで改めて実感することが出来ます。

 

 

ギャッベを織るカシュガイ族、一言でカシュガイ族と言ってもいくつかの民族の総称で、ルーツはトルコ系の移民の方々です。

 

カシュガイの地を訪れてまず目を引くのは、男性は私たちと同じようなラフな普段着スタイルですが、女性はお祝いや客人が来る際には一番色鮮やかな衣装を纏いお出迎えしてくれます。

カシュガイの女性は、いつも綺麗でいなさいという伝統文化もあるそうです。

食事は、主に豆を煮こんだものや小麦を練って焼いたナンが主食です。

ひつじ(ラム)を普段から頂くことは無く、お祝いや遠方からの客人が来た時に
家族である羊を振舞うことが最大のおもてなしと言われています。

遊牧民の暮らしでは、元々は共に暮らす羊やヤギの牧草を求め移動してきましたが
今でも夏の宿営地と冬の宿営地を行き来しています。

数十年前までは一年を通してテントで暮らしていましたが、現在では定住している人や冬は定住、夏は標高の高い場所へテントを張って暮らす半定住の人々も多くなってきているそうです。

 

また、定住生活をすることで暮らしも豊かになり、子供たちや女性も学ぶ機会も多くなり
街に出て就職する女性も多くなってきている為、年々ギャッベを織る女性も少なくなってきているそう。

前回もご紹介したようにユネスコで世界文化遺産登録されているカシュガイ族のギャッベを織る技術や文化、素敵なギャッベを少しでも多くの人に知って頂ければと思います。

 

 

 

・まとめ

私たちがご紹介しているアートギャッベを通して、遠く離れたイランの歴史や文化、カシュガイの織子さんなど、作り手の想いも実際に現地に行ったスタッフがご紹介しています。

ギャッベだけではなく家具も含め、作り手の方々の想いや背景を知る私たちだからこそ
長く快適に使えるインテリアの良さ皆様に感じて頂きながら大切に使って頂けたらと思います。

 

次回は、織りに込められている文様についてご紹介します。

特集【アートギャッベものがたり】